みなさんは、英会話に関するこんな危機感をお持ちではないでしょうか?
- 新卒で入社した会社で英語が必要だが、全く話せない……
- 部署異動で海外営業になったが、テレビ会議で言いたいことが言えない……
- 気づいたら、「Yes」としか答えてない……
僕は総合商社に入社した新入社員当時、英語が全く話せませんでした。また、その後、中国に駐在した時も、中国語が全くできませんでした。
帰国子女でもなく、留学経験もなかったので、まあ当然といえば当然かもしれません。
しかし、そんな僕でしたが、以下の方法を実践することで3ヵ月で最低限のやり取りができる程度まで英語・中国語のスピーキング力を伸ばすことができました。
「すぐにでも、最速最短でビジネス英会話をマスターしたい!」という方に向けて、今回はその時に実践した方法を紹介いたします。
現在、みなさんが抱いている危機感は、自分を成長させる大きな原動力であり、そのためのヒントであり、最大のチャンスです。
今は苦しいかと思いますが、グッと踏ん張ってやり切ることで、今後のビジネスマン生活が大きく拓けていきます。
そのための一助として、是非、参考にしてみてください。
(リスニング編もありますので、気になる方はこちらもチェックしてみてください)
初心者の僕が3ヵ月でビジネス英会話を習得した学習法【リスニング編】 | 危機感English (ssblogstory.com)
初心者の僕が短期間(3ヵ月)でビジネス英会話を習得した学習法【スピーキング編】
まず最初に、結論です。
僕がリスニング力習得のために実践した学習法は以下の通りです。
- 英会話学校
- 業務中の外国人との会話
- 仕事で使う専門用語、よく使う表現の「型」、一般的な単語・表現の暗記
では、なぜこれらの学習法を選んだのか。以下で詳細を見ていきましょう。ですが、その前に、やるべきことがあります。
動き出す前に、まずやるべきこと
危機感を抱いたこと自体は素晴らしいことですが、それに振り回されて無闇に行動を起こすのは悪手です(危機感を抱きながら何も動かないよりは100倍マシですが)。
何も考えずに動き出すと、努力の方向性を間違ってしまう可能性があります。
最短でビジネス英会話を習得するためには、時間を無駄にはできません。
自分ができること、できないことをしっかりと理解し、できないことについて集中的に対策を打っていくことが重要となります。
そこで、まず初めにすべきことは
- 目標設定
- 現状理解/目標とのギャップ把握
です。
目標設定
まずは目標、自分がなりたい姿を明確に設定しましょう。
スピーキングにおける当座の目標ですが、これはだいたいの人が共通しているんじゃないかと思います。つまり、
こんな感じではないでしょうか?
では、そのためにどうするか。
経験上、スピーキング力というものは以下の要素に分解できます。
スピーキング力 = 英語を話すことへの慣れ × 単語・表現力 × 文法知識
これら3つの要素をそれぞれ伸ばしていくことで、スピーキング力は飛躍的に成長します。
詳細については以下でまとめておりますので、良ければ参考にしてみてください。
最速でビジネス英会話を習得するために伸ばすべき4つのスキル | 危機感English (ssblogstory.com)
では、実際に目標を設定してみましょう。
例えば、こんな感じでしょうか?
目標:3ヵ月以内に自分の言いたいことの7-8割ほどは言えるようになる。
目標設定の際は、「SMARTの法則」を意識するといいです。「SMART」とは、以下の5つの言葉の頭文字をとったもので、具体的には以下の通りです。
5つの言葉 | 意味 | 内容 |
Specific | 明確な 具体的な | 「努力します」「一生懸命がんばります」などの曖昧な目標ではなく、具体的に何をするのか考える。 |
Measurable | 測定可能な 計測できる | 目標の達成度が確認できる測定基準を設ける。「売上を増やす」ではなく「売上を〇〇円増やす」など。 |
Achievable | 成し遂げられる 達成可能な | 単なる願望や理想ではない、現状の自分が努力すれば達成できる目標を設定する。 |
Relevant | 関係のある 関連性がある | 会社のミッション・自分の夢・大きな願いなどと関係のある目標を設定する。 |
Time-bound | 期限のある 時間限界 | 目標を達成する期限を明確に決める。 |
ですが、これではまだボヤっとしていて、「具体的に何をすればいいのか」というところまで落とし込みにくいですよね。なので、上記したスピーキング力の分解要素ごとに個別目標を設定していきます。
具体例は以下の通りです。
個別目標:目標を達成するために、3ヵ月以内に以下を達成する。 |
(英語を話すことへの慣れ) 英語を話すときに感じる緊張や不安をなくす。 |
(単語・表現力) 言葉がスムーズに出てくるようになる(会話中、3秒以上の間が空かないようにする)。 |
(文法知識) 意味が変わってしまうほどの大きな文法ミスを犯さない(意味が伝わる細かいミスならOK)。 |
こうやって要素に分けることで、より具体的な目標を立てることができました。このようにすれば、実際のアクションに落とし込みやすいですよね。
なお、この目標はあくまで例なので、自分に合った目標を設定するようにしてください。
現状理解/目標とのギャップ把握
では、続いて、現状理解/目標とのギャップ把握です。
上記で作成した目標に対して、現状がどうなっているか書き出してみましょう。
目標:3ヵ月以内に自分の言いたいことの7-8割ほどは言えるようになる。
個別目標:(3ヵ月以内) | 現状 |
(英語を話すことへの慣れ) 英語を話すときに感じる緊張や不安をなくす。 | (英語を話すことへの慣れ) これまで英会話の経験がほとんどなく、英語を話す場面では緊張して頭が真っ白になる。 |
(単語・表現力) 言葉がスムーズに出てくるようになる(会話中、3秒以上の間が空かないようにする)。 | (単語・表現力) 言いたい言葉や表現が出てこず、言葉に詰まってしまい、会話相手から助け舟を出してもらうことが多い。 |
(文法知識) 意味が変わってしまうほどの大きな文法ミスを犯さない(意味が伝わる細かいミスならOK) | (文法知識) これまでの受験勉強等を通じて、最低限の文法知識はあり。 |
こんな感じでしょうか?
自分でこのような表を作成することで、目標と現状が整理・客観視され、両者のギャップも把握しやすくなると思います。
ここまでで、①目標設定、②現状理解/目標とのギャップ把握が完了しました。
ここからは、今回のメインテーマである具体的な学習法を見ていきます。
今、把握した目標と現状のギャップを埋めるために、何を、どう、学習していくべきか。その具体的な方法を確認していきましょう。
「英語を話すことへの慣れ」に関する学習法
まずは、「英語を話すことへの慣れ」のギャップを埋めるための学習法です。
英語を話す時って、めちゃくちゃ緊張しますよね。
僕も新卒当時、心臓はバクバク鳴るわ、口は渇くわ、呼吸は浅くなるわと、本当にダメダメでした。程度の差こそあれ、みなさんもこういう経験がおありではないでしょうか?
こうなってしまう大きな原因の一つは、英語を話すことに慣れていないから、です。
スムーズに言えるかな……? ちゃんと伝わるかな……? 途中で頭が真っ白になってフリーズしちゃったらどうしよう……。
「英語を話すこと」に慣れていないと、このような不安感が生まれ、緊張につながってしまいます。
では、英語を話すことに慣れるにはどうすればいいのか。
答えは簡単。慣れるまで話せばいいんです。
「当然のことじゃないか」と拍子抜けされるかもしれませんが、やはりそれが一番の方法です。
量をこなせば、英語を話すことがだんだんと「普通の状態」になってきます。
あらゆる学習には質と量の観点がありますが、慣れという分野においては圧倒的に量、費やした時間が大切です。
ここでは流暢に話せるかどうかは問題ではありません。
繰り返し繰り返し話す練習をすることで、漠然と抱えてしまっている不安感、苦手意識というものを取っ払うことが重要なんです。
では、そのために、どのように学習していけばいいのか。学習方法はざっと以下の通りです。
この中で、僕が特にオススメするのは「英会話学校」と「業務中の外国人との会話」です。
オススメする理由も含め、各学習法について詳しく見ていきましょう。
英会話学校
「英語を話すことへの慣れ」に関して、僕が最もオススメするのは「英会話学校」です。
英会話学校では、とにかく話す練習が積めます。
1コマ30分でも1時間でも、少なくともそれだけの時間は基本的に英語しか話さないわけですから、続けていれば嫌でも英語を話すことに慣れてきます。
加えて、英会話学校の良いところは、様々な「実験」ができるという点です。
僕も新卒当時、英会話学校に通っていましたが、ここで、スピードや発音を調整したり新しく覚えた単語・表現を使ってみたりといった「実験」をしていました。
実際の仕事の場では、たとえ社内の外国人であっても「上手く、流暢に話せなかったら仕事が進まない……」と少なからずプレッシャーを感じてしまうので、伝わるか伝わらないかわからないようなことは言えません。ですが、英会話学校ではどんなに話すのが下手でも問題ないですし、「実験」してみたことが実際に通じるか、もっと良い言い方がないかなど、その場で答え合わせまでできます。
そして、上手くいったものを実践でも使っていく。そういった良い循環を作る起点となる場所が「英会話学校」だったのです。
このように、「英会話学校」は、そもそも「英語を話すことに慣れる」ということに加え、スピードや発音の調整や新しく覚えた単語・表現の試用を通じて、「レベルアップしたスピーキングに慣れる」場でもあります。
費用がかかるというネックはありますが、本気で英語を話せるようになりたければ通うべきです。是非、検討してみてください。
ただ、どんな英会話学校でも良い、どんなプランでも良い、ということではなく、基本的にはマンツーマンレッスンを推奨します。グループレッスンではどうしても自分が話す時間が限られるうえ、「他の人がいる前で下手な英語は話せない…」と話すことにブレーキをかけてしまう恐れがあるからです。「自分は他人の前でも失敗を恐れずガンガン行けます!」という方は良いですが、そうでないならマンツーマンレッスンにしましょう。
業務中の外国人との会話
つづいて、オススメする学習法の二つ目、「業務中の外国人との会話」です。
これは、できる人とできない人がいると思います。
もし、仕事でやり取りする外国人が社内の人間、もしくは、社外だがこちらが客の立場である程度融通が利くなどといった状況なら、その人と積極的にコミュニケーションを取りましょう。
(やり取り相手が直接お客さんであればこれは難しいと思いますが、もし可能であればトライしてみてもいいかもしれません)
英語を話すことに慣れるには量をこなすことが重要と言いましたが、「業務中の外国人との会話」を上手く使うことができれば、圧倒的なスピーキング量を稼ぐことができます。
僕自身も過去、対面の外国人と一日に一度は必ず電話するようにしていました(相手が自社の海外支店の人間だったので、電話しやすかったというのもありますが)。
そうすることで、平日は仕事で英語を話す+休日は英会話学校で英語を話すというルーティンができ、結果として毎日英語を話す機会を持つことができたのです。
「そんな毎日電話してウザがられなかったの?」と思う方もいるかもしれませんが、結論、大丈夫でした。
もちろん、相手も忙しいでしょうから一定程度の配慮と敬意は必要です。ですが、どこかのタイミングで「英語の勉強がしたいから、できる限り電話でコミュニケーションを取りたいんだけど、いいか?」と断りを入れておけば、けっこう気軽にOKしてくれたりします。
上記した通り、英会話学校は非常に良い学習手段です。しかし、お金がかかりますし、プライベートの時間を削ることにもなります。ですので、可能な限り「業務中の外国人との会話」を取り入れ、量を稼ぐことが重要です。
是非、「英会話学校」と「業務中の外国人との会話」を組み合わせ、英語を話す量を増やしてみてください。
Youtube、TOEIC、英検等の素材を用いた音読、ディクテーション
次に、「Youtube、TOEIC、英検等の素材を用いた音読、ディクテーション」です。
ただ、これは「英会話学校」と「業務中の外国人との会話」が十分に実行可能な方であれば、しなくても良いと思います。これら二つに比べると費用対効果が低いですからね。
ですが、「時間があるから他にも何かしたい!」という方や、「英会話学校」や「業務中の外国人との会話」がどうしても難しいという方は音読やディクテーションをやってみるのもありです。
これは主に、「自分が英語を話していることへの違和感」を解消するためです。
例えば、以下はTOEIC Part3リスニング会話問題の文章です。英語の部分を少し音読してみてください。
Questions 32 through 34 refer to the following conversation.
M: Excuse me. I want to print some documents out but it seems the printer isn’t working.
W: I’m afraid but all the equipment is currently under maintenance. You could go to the academic office and the staff will help you.
M: OK. Do I need to bring a copy card with me?
W: Yes. And be careful, you’ll also be required to show your student card.
(和訳) 問題32-34は次の会話に関するものです。
男性: すいません。何枚かの書類を印刷したいんですが、プリンターが動作していないようです。
女性: 恐れ入りますが、すべての機器が現在メンテナンス中です。あなたが学部事務室に行けば、スタッフが助けてくれますよ。
男性: わかりました。コピーカードを持っていく必要はありますか?
女性: はい。あと、気をつけてください、あなたは学生証を見せるよう求められるでしょう。
あまり英語を話すことに慣れていない方は、音読中、違和感を覚えませんでしたか?
「うわっ。なんか自分の口から英語が出てる」という違和感です。ちょうど、スマホで動画を撮られた時に「あ、自分って本当はこんな声してるんだ」というような感覚に似ている気がします。
このような違和感を抱いた経験がないまま、いきなり本番(英語での会議、重要な電話など)に臨むと、違和感の方に驚いてしまって話すことに集中できなかったりします(実体験です)。
ですので、特にスピーキングを練習する初期段階では、家で一人の時に音読やディクテーションを行い、違和感を解消してしまいましょう。そうすれば、実際の会話の場面では自分の話すことに集中しやすくなります。
英語を話した経験が本当に全然ないという方は、トライしてみることをオススメします。
外国人の友人との会話
もし、みなさんに外国人の友人や知人がいるのであれば、非常にラッキーです。
その友人、知人と会話することで、英語をたくさん、楽しく話すことができます。他のどの学習法にも勝る最強の学習法と言えるでしょう。
ただ。ただです。外国人の友人がいるという方はかなり少ないんじゃないでしょうか。それに、そんな友人がいるという時点である程度英語が話せる人だと思います。そんな方はおそらく、このサイトにはたどり着いていないですよね笑
なので、この学習法はほとんどの人には参考にならないんじゃないかと思います。ですが、もし、「自分は全然英語が話せないが、外国人の友人や知人がいる!」という方がいれば、是非、検討してみてください。
(ただ、個人的には、友人や知人と定期的に会って英語で会話してもらうというのは、非常に難しいことだとも思います。相手にも予定があるでしょうし、たとえ昼食や夕食をおごるなどの約束をしていたとしても、自分のわがままのために相手の時間を奪っているように感じてしまい、気が引けますよね。だから、この方法は、本当に仲の良い友人同士や恋人関係にある人じゃないと使えないだろうなと思います。ですが、これはあくまで個人的な考えなので、括弧書きにしてみました笑)
「単語・表現力」に関する学習法
単語・表現学習の重要性
英語をある程度話せるようになった方なら共感してくれると思いますが、一見英語をペラペラ話しているような人でも、実は「型」を使って話していることがほとんどです。
「型」というのは例えば、以下のようなものです。
言いたいこと | 英語表現 | 例 |
相手に何かをしてほしい | “Could you~” | Could you please send an email? (メールを送ってくれませんか?) |
~したほうがいい | “It would be better if 〜” | It would be better if we reschedule the meeting. (リスケしたほうがいいですね) |
~したことがない | ”I have never~” | Oh, really? I have never heard that. (本当ですか? 聞いたことありませんでした) |
こういった「型」の表現さえ体に染みついていれば、あとは動詞や目的語を変えるだけでだいたいのことは言えるようになります。
このように、「型」となる表現と、その場その場で変える単語が自分のなかに蓄積されていれば、英語はかなり流暢に話せるようになるんです。
ですが、もっと言うと、たとえ「型」が不十分でも、単語さえ知っていれば何とかなることが多いです。
例えば相手に「最近、車の生産量が落ちているけどなんで?」と聞かれた際、車の重要部品であるSemiconductor=半導体という単語さえ知っていれば、「型」がなく、文法や発音が多少違っていようと、こんな風に言えば言いたいことは伝わります。
Semiconductor short. No semiconductor. Not many. So car company can’t make car.
ほとんど単語を並べただけの文章ですが、意味は通じると思います。
ですので、単語と表現(「型」)というものを、是非、集中して勉強してみてください。
ちなみに、スピーキングの場合は、たとえ特定の単語を知らなくても、自分である程度言い換えることができます。文章が長くなってしまうかもしれませんが、時間をかければ自分の言いたいことを相手に伝えることができるのです(もちろん、言い換えられるだけの単語・表現力は必要です)。
特にビジネス英会話の場合、相手の外国人も「海外営業」となることが多いかと思います。そのような人はある程度優秀で、かつ業界知識に精通しているでしょうから、こちらの言いたいことを読み取ってくれます。
例えば、、、
Currently, important parts, aa…, I don’t know the English name. But very important parts of car is not many…, shortage.
Semiconductor?
Maybe yes, it is used for engine, break, navigation system…
Yeah, it is Semiconductor.
てな感じです。
もちろん、このように相手を頼ってしまう状況はベストとは言えないですが、最初のうちはこんなものです。単語・表現力がつくまでは相手のことも適度に頼りつつ、「まあ、何とかわかってくれるだろ!」と楽観的に考えれば、楽しみながら英語が話せると思います。
「単語・表現力」の具体的な学習法
学習法は暗記と慣れです。
何も特別なことはありません。ただただ覚え、それが自然に出てくるまで話す練習をする。それだけです。
特に暗記は地味で大変な作業なので嫌厭する人も多いと思いますが、楽して英語が話せるようになるなんてことはありません。暗記から逃げたい気持ちをぐっとこらえて、勉強してみてください。
逆に、普通の人はそれほど真面目に単語を勉強しないはずです。暗記は地味で苦しい作業ですから、みんな嫌がります。だからこそ、ここで頑張ることができれば、同僚たちに差をつけることができます。1年後、同僚と比較された際に、「君は英語ができるから海外出張に行ってもらおうか」、「英語が得意そうだから会議の進行を任せようか」となるかどうかは、この単語・表現の暗記に掛かっていると言っても過言でないと思います。
ここで歯を食いしばって頑張り、突き抜けた人材へ成長しましょう。
専門用語の学習
学習法はただ暗記するだけと言いましたが、少しコツがあります。
覚える単語・表現の順番です。
重要な単語・表現から覚えていくことで、業務への即効性が期待できるのです。
では、どのような単語・表現から覚えていけばいいのでしょうか。
まずは、仕事で使う専門用語から覚えていきましょう。
単語・表現を学ぼうとして、初めに単語帳に飛びつく人がいます。もちろん、一般的な単語・表現を学ぶことは絶対に必要です。ですが、優先順位としては専門用語には劣ります。なぜなら、一般的な単語・表現の中には実際のビジネス英会話ではあまり使われない単語も含まれているからです。あまり使われないものを学んでも、その効果が表れるまでは時間がかかり、即効性がありません。だからこそ、仕事で絶対に使う専門用語から学ぶのです。
実ビジネスで使う専門用語はせいぜい100-300語程度ではないでしょうか? その中でも頻出するものに限れば30-50語ほどであることがほとんどだと思います。
まずはそれらの英語表現を徹底的に覚えてしまいましょう。
300語だとしても、本気を出せば2週間ほどでだいたい覚えられるはずです。
騙されたと思ってがむしゃらに勉強してみてください。2週間後、ビビると思います。
あれ? なんか話せてるぞ……。
少なからず、こんな感覚が持てるようになるはずです。
これまで様々な学習方法を紹介してきましたが、即効性、爆発力という意味では、専門用語の学習に勝るものはありません。是非、今日から、試してみてください。
よく使う表現の「型」の暗記
専門用語の暗記が終わったら、次に、よく使う表現の「型」を学習しましょう。
上に挙げた“Could you~”や“It would be better if 〜”のようなものですね。
僕がよく使う「型」は以下を参考にしてください。
ビジネス英会話でよく使う表現の「型」/フレーズ10選【スピーキングの最速習得に向けて】 | 危機感English (ssblogstory.com)
また、おすすめの書籍はこちらです。
たった30パターンで英会話!――「言いたいことが出てこない」をスッキリ解消 | ニック・ウィリアムソン | 英語 | Kindleストア | Amazon
30の「型」と数多くの便利フレーズが紹介されており、これを完璧にすれば自分の言いたいことをかなり表現できるようになると思います。
是非、活用してみてください。
一般的な単語・表現の学習
最後に、一般的な単語・表現の学習です。
教材は正直なんでも結構です。スピーキング力がない人は基本的に単語・表現の絶対量が足りていないので、どんな単語帳を使っても一定の効果はあると思います。
学生時代使っていたものでもいいですし、TOEICや英検を受ける人はそれに特化した単語帳でもOKです。
と言われても……。何かオススメの教材を教えてよ……。
という人は以下のサイトを参考にしてみてください。23冊の単語帳が比較・紹介されており、非常に参考になります。
【英単語帳】社会人におすすめは?人気の厳選23冊を徹底検証 (english-club.jp)
スピーキング力を上げようとする人は、大抵、英語を話すことだけを重視し、単語・表現の暗記にはあまり目が向けられません。ですが、単語・表現力は本当にめちゃくちゃ大事です。暗記はつらいからと言って逃げず、騙されたと思って勉強してみてください。
「文法知識」に関する学習法
最後の項目、「文法知識」です。
もちろん、文法知識はあるに越したことはありません。
しかし、僕の経験上、これはそれほど重要ではありません。
イメージですが、最低限、中学英語レベル(TOEIC目安300点程度)の文法がわかっていれば問題ないと思います。
Be動詞と一般動詞の違いがわかる。SVなんちゃらの5文型を知っている。
その程度で大丈夫です。
なぜなら、リーディング、ライティングならまだしも、実際の会話では複雑な文法表現など不要だからです。
日本語でも文語と口語があり、書き言葉で使われる難しい文語表現は山ほどありますが、それを実際の会話で使うことはほとんどありませんよね? 学校で習う難しい英文法の多くはリーディング、ライティング用のもので、スピーキングではあまり使いません。
もちろん、TPOに応じてお固い表現をした方がいい場面もあるかもしれませんが、それはある程度英語が話せるようになった後で考えましょう。
最速でビジネス英会話を身に着けたいのであれば、細かな文法知識などはいったん捨てです。重箱の隅をつつくようなことに囚われていつまでも英語が話せないよりは、ざっくりでも話せるようになったほうが100倍いいからです。細かなニュアンスがどうしても気になるなら、あとから勉強すればいいんです。
ですが、「基本的な文法もわからない!」という方は中学英語をもう一度復習してみてください。
学習法まとめ
では、ここまでで出た学習法を、目標、現状とともにまとめてみます。
個別目標:(3ヵ月以内) | 現状 | 学習法 |
(英語を話すことへの慣れ) 英語を話すときに感じる緊張や不安をなくす。 | (英語を話すことへの慣れ) これまで英会話の経験がほとんどなく、英語を話す場面では緊張して頭が真っ白になる。 | ・英会話学校 ・業務中の外国人との会話 ・Youtube、TOEIC、英検等の素材を用いた音読、ディクテーション ・外国人の友人との会話 |
(単語・表現力) 言葉がスムーズに出てくるようになる(会話中、3秒以上の間が空かないようにする)。 | (単語・表現力) 言いたい言葉や表現が出てこず、言葉に詰まってしまい、会話相手から助け舟を出してもらうことが多い。 | ・仕事で使う専門用語の暗記 ・よく使う表現の「型」の暗記 ・一般的な単語・表現の暗記(単語帳) |
(文法知識) 意味が変わってしまうほどの大きな文法ミスを犯さない(意味が伝わる細かいミスならOK) | (文法知識) これまでの受験勉強等を通じて、最低限の文法知識はあり。 | ・不要 |
こんな感じでしょうか。太字のところがメインの学習法です。
ここまでできたら後は実行するだけです。
ですが、ここでももう一つ勉強のコツがあります。
それは全てをバラバラと勉強するのではなく、流れを作るということです。流れを作ることで、さらに効率的な学習が可能となります。
例えば、こんな感じ。
「英会話学校」、「業務中の外国人との会話」の際に言いたいけど言えなかったこと(内容、単語、表現)などをメモしておく
⇩
その点について、「英会話学校」の講師にその場で、もしくは家に帰った後、単語・表現学習などを通じて重点的に復習、問題解決。
これだけではわかりづらいかもしれないので、イメージ例を挙げます。
スポーツをしていた方ならわかっていただけると思いますが、本番の試合で勝つためには練習が必要です。ですが、ただ闇雲に練習するだけでは効率が悪いです。効率的な練習とは、自分ができないことを重点的に練習すること。そして、自分ができないことを最も簡単に把握する手段は、試合もしくは練習試合です。
試合・練習試合を通じて自分の欠点を把握/反省
⇩
その点について重点的に練習
⇩
再度、試合・練習試合を行い、改善度合いをチェック。改善していれば別の改善点を探す。改善していなければさらに練習
このようにPDCAを回して実力を上げていきますよね? 英会話も同じです。
試合(=重要な会議、電話等)や練習試合(=「英会話学校」、「業務中の外国人との会話」)を通じて、自分の欠点(=言いたいのに言えなかったこと)を把握し、練習(=「英会話学校」の講師への質問や単語・表現学習)でそのポイントを改善する。
このようにしていくと、スピーキング力がぐんぐん成長していきます。
せっかく勉強するのですから、何も考えず漫然と勉強するのではなく、頭を使って効率的・戦略的に取り組むようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は「初心者の僕が3ヵ月でビジネス英会話を習得した学習法【スピーキング編】」ということで、スピーキングに関する勉強法をまとめてみました。
上記全てを丸々その通り実行する必要はありませんが、参考になったものがあれば、是非、実践してみてください。